ベトナムの部品加工はなぜ選ばれる?技術レベルや対応範囲・外注のポイントを解説
近年、多くの日本企業が金属部品の調達や試作加工をベトナムへ外注する動きが加速しています。
中でも「部品加工」は、自動車・機械・電子機器など、あらゆる製造業で必要不可欠な加工法であり、精度と信頼性が求められる領域です。
かつては中国やタイが中心だった外注先も、コスト・品質・労働力などの観点からベトナムへのシフトが進んでいます。
そこで今回は、ベトナムの切削加工の技術水準や対応範囲、日本企業が外注する際のポイントについて、わかりやすく解説します。
目次
ベトナムで対応可能な部品加工の種類と特徴

ベトナムの部品加工業界は急速に発展しており、特に切削加工分野では、CNC技術を中心に多様なニーズに対応できる体制が整いつつあります。
従来の旋盤やフライスといった汎用加工から、高精度なCNC加工、さらには難削材への対応まで、幅広い技術力を備える工場が増加しています。
ここからは、ベトナムで実際に対応可能な切削加工の種類と、それぞれの特徴・強みについて詳しく解説していきます。
ベトナム国内では高精度なCNC加工が主流
切削加工の中でも、現在の主流となっているのが「CNC加工」です。
コンピュータ制御により、金属を高精度かつ効率的に削り出すことが可能で、複雑形状の加工や微細加工にも対応できる汎用性の高さが特徴です。
ベトナム国内の多くの加工工場では、このCNC加工を中心に設備投資が進んでおり、CNC旋盤やマシニングセンターによる多軸加工、同時5軸加工などの高度な加工を行える体制が整っています。
とくに日系企業や欧州系の技術支援を受けた工場では、日本の加工現場と遜色ない加工精度(±0.01mm以下)や品質管理水準を実現しており、自動車・精密機器・医療分野の部品にも対応可能です。
また、CNC加工の特性を活かして試作から中ロット・量産まで一貫対応できる柔軟性も、ベトナム外注の大きなメリットの一つ。
CAMソフトを用いた複雑なパス設定や、短納期対応を得意とする工場も多く、見積りから製作、検査、輸出までの流れがスムーズです。
対応できる金属素材と加工精度の実力
ベトナムの加工工場では、対応できる素材の幅広さも注目されています。
従来の鉄・アルミ・ステンレス・真鍮・銅といった金属素材に加え、近年ではチタンやインコネルといった難削材の加工にも対応できる体制を整える工場が増えています。
さらに、アクリル・POM(ポリアセタール)・ナイロン・PVC・デルリンなどのエンジニアリングプラスチックの加工に対応している企業も多く、金属と樹脂の両方に強い工場は、幅広い製品開発のニーズに応えられる存在として評価されています。
加工精度においても、日本企業の厳しい品質要求に応えるため、±0.01mm以下の精度で対応する工場が多数存在しています。
同時5軸加工や多軸CNC設備を活用し、微細形状や複雑形状の製品も高い再現性で仕上げることが可能です。
金属部品だけでなく、試作用の樹脂モデルや各種治具の加工なども、ベトナムで一貫して対応可能な体制が整ってきています。
試作から量産まで、素材の選定段階から柔軟に対応できる工場が多いため、日本側のエンジニアとも連携しやすい点も大きな利点です。
ベトナムの加工工場の設備と品質管理体制

海外に金属加工を委託する際、懸念されがちなのが「品質」と「安定性」です。
ベトナムの部品加工工場では、日系や外資系の企業を中心に高性能な設備を導入し、品質管理体制を強化しています。
ここでは、具体的な設備内容や国際基準への適合、検査体制などを紹介します。
CNC設備・マシニングセンターの導入状況
先ほどもお伝えしましたが、ベトナムでは、日系・韓国系・欧州系の工場を中心に、CNC旋盤やマシニングセンターの導入が進んでいます。
中小規模の町工場でも、最新設備を導入して品質向上に取り組んでいるケースが見られます。
高精度を求める案件では、日本製(オークマ、マザックなど)の工作機械を使用している企業も多く、日本のサプライチェーンに組み込める品質を維持できる体制が整っています。
若手技術者の育成と日本語対応の可否
技能工の教育についても、政府・大学・企業が連携した技術者育成プログラムが進んでおり、3D CAD/CAMのスキルを持つ若手技術者も増加中です。
また、日本語対応可能な技術者や、技能実習生として、日本で活躍をしていた技術者、日系企業での実務経験を持つスタッフが在籍している工場も多く、スムーズなコミュニケーションも期待できます。
国際認証の取得と検査機器による品質保証
ベトナムでは、
- ISO9001
- ISO14001
- IATF16949
といった国際認証を取得している加工工場も多数存在します。
検査設備も充実しており、三次元測定機、表面粗さ測定器、硬度計などが整備されている工場であれば、安心して精度要求の高い部品を委託できます。
日本企業がベトナムに切削加工を外注する3つのメリット
とはいえ、近年なぜこれほど多くの日本企業がベトナムに加工を外注するのでしょうか。
そこには、単なるコスト削減にとどまらないメリットがあります。
価格優位性はもちろん、柔軟な対応力や貿易面での優遇措置など、ベトナム外注の実務的で代表的な3つのメリットを分かりやすく解説します。
【メリット①】加工単価を抑えた調達戦略の実現
ベトナムの人件費は地域によって差がありますが、日本の約5分の1以下とも言われており、加工単価も大幅に抑えることが可能です。
特に中~大量生産の場合、総コストの削減効果は非常に大きくなります。
【メリット②】小ロットや試作対応への柔軟な姿勢
ベトナムでは、小ロットの試作案件にも柔軟に対応する工場が多数存在します。
図面ベースでのスピーディーな見積もり対応、現地での短納期対応など、国内での調達と遜色ないスピード感で対応可能です。
【メリット③】EPA(経済連携協定)による関税の優遇
ベトナムは日本との間でEPA(経済連携協定)を締結しており、多くの機械加工品目で関税ゼロまたは低率が適用されます。
これにより、コストだけでなく、輸入手続きの簡素化、通関の円滑化といった貿易面でのメリットも享受できます。
ベトナム調達で起こりやすいトラブルと対策

海外調達には、必ずリスクが伴います。
とくに言語・文化・技術基準の違いによるトラブルは、避けて通れません。
そこで、実際に起こりがちな問題とその背景、さらにそれを回避・最小化するための実務的な対策について、具体例を交えて紹介します。
図面の解釈ズレ・公差トラブルの予防策
ベトナム側と日本的な図面の読み方や公差・仕上げに関する認識の違いが原因で、トラブルが起きることがあります。
対策としては、可能な限り3Dデータを併用し、必要に応じて加工サンプルや検査基準書の共有を行いましょう。
さらに、初回ロットの段階で綿密な仕様確認を行うことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
品質バラつきや再加工リスクへの対応方法
ロットの一部にバラつきがある、表面処理の不備がある、寸法公差が外れていたなど、品質トラブルのリスクはゼロではありません。
現地に検品担当を配置する、第三者検査会社を活用するなど、品質確認体制を強化することが重要です。
加えて、定期的なサンプル検査とフィードバック体制を構築しましょう。
リードタイム・通関トラブルと納期設計の工夫
海上輸送が中心となるため、通常でも2〜4週間程度のリードタイムが必要です。
また、天候や通関遅延のリスクもあるため、余裕を持った納期設計と、必要に応じた航空便対応も想定する必要があります。
物流会社との連携強化や緊急時のバックアッププランも準備しておくと安心です。
ベトナムでの部品加工はパートナーとの連携がカギ
ベトナムの切削加工は、コスト・品質・技術力のバランスに優れた外注先として、日本企業からの注目が高まっています。
とくにCNC加工の分野では、高精度かつ短納期対応が可能な工場が増えており、試作から量産まで一貫して対応できる体制が整いつつあります。
ただし、図面共有や品質確認、輸送の段取りなど、部品加工先との連携が重要となるため、信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。
ベトナム金属加工.comでは、日本の大手企業にも多くの納入実績をもつ、ローカル企業との豊富なネットワークを活かして海外調達をサポートしています。
やり取りも日本語のみででき、国内で依頼をするのと同様に、丸投げで海外部品加工をはじめることが可能です。
ベトナムで部品加工をすることは、コスト削減や将来への選択肢の増加につながりますので、まずはお気軽にお問い合わせください!